正常成人計 26名 (20~30歳,男性 10名・女性 16名) を対象に,純音・震音・複合音の組合せによる非言語音刺激テープを用いて両耳分離聴テストを行い,非言語音認知の大脳側性化に対するアルコール嗅覚刺激による影響を検討した。 非言語音認知の大脳側性化は,男性では有意に右半球 (左耳) 優位性 (p<0.05) を示したが,女性では右半球優位ながら,有意差は認めなかった。しかしアルコール嗅覚刺激後は,男性・女性とも有意に左半球 (右耳) 優位性 (p<0.05) を示すようになった。 本実験で,男性・女性とも非言語音認知がアルコール嗅覚刺激により右半球優位から左半球優位に変化したことから,嗅覚刺激は非言語音認知の大脳側性化へ影響を与える可能性があることが示唆された。