意味カテゴリー (SC) 別呼称能力の年齢別変化を検討する目的で,年齢別 10群の健常者 117名 (小学2年生から60歳代) を対象として,30 SC からなる 300語呼称テストを行った。このテストの各群の平均成績は,小学2年生では最低の 245.2語で,以後増加し 30歳代では 296.9語に達し,以後減少し 60歳代では 288.0語であった。5 SC は小学2年生以前に語彙獲得され,これらには加齢による語彙減少はなかった。13 SC では高校3年生以降に語彙獲得された。加齢による語彙減少は 60歳代で 6 SC に認められた。意味記憶障害・失語の症例で特異性障害がみられた SC と,語彙獲得年齢の遅延 (中学2年生以降) または加齢による語彙減少との関連性を検討したところ,生物カテゴリーでは関連性は否定され,非生物カテゴリーでは否定できなかった。