側頭葉切除術のための頭蓋内発作脳波同時記録にて得られた9回の反復型言語自動症の記録と, 脳波上これと類似の構造を示す5回の前兆の記録から, 反復型言語自動症が出現する脳波上の条件を検討した。さらに, 意識が保持されたまま, 言語自動症が出現する場合があることが確認され, その際には, 『当番, きやはった』という発作時の常套句は, 強迫的に表出されるのではなく, 口癖のようにふと口をついて表出されると感じられていた。このことから, 側頭葉てんかんにおける言語自動症は, 一種の不随意運動というよりも, 特定の体験に対する応答である可能性を指摘した。