失語症者における言語障害と非言語性象徴機能障害との関係について考察するために,3種のテスト (分類,パントマイム,描画) を施行した。言語能力と各テストには何らかの相関関係が示されたが,その程度はそれぞれ異なっていた。また言語様式別にみた場合,各テストにおいて高い相関を示す言語様式には異なった傾向が認められた。以上より,非言語性象徴機能と言語機能との関係を象徴機能障害という単一の概念によって説明するのは困難であり,非言語性課題の性質や言語様式の多様性を考慮したより分析的な視点の必要性が示唆された。