文章基本信息
- 标题:地域栄養計画
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- 作者:豊川 裕之
- 期刊名称:日本栄養・食糧学会誌
- 印刷版ISSN:0287-3516
- 电子版ISSN:1883-2849
- 出版年度:1976
- 卷号:29
- 期号:2
- 页码:71-76
- DOI:10.4327/jsnfs1949.29.71
- 出版社:Japanese Society of Nutrition and Food Science
- 摘要:このような統一的な, あるいは一貫した考え方は世界観ということもできるし, 健康観ということもできる。地域栄養計画における世界観ないし健康観の中心は栄養学概論である。ここで概論が問われている栄養学は, 栄養素だけが注目されるのではなく, また栄養障害だけが論じられるのでもなく, 料理・調理の方法だけが問題なのでもなく, また食糧生産だけでもなく, ひろく食の行動をも含む広義の栄養でなければならない。食とはすくなくとも「食は多数の調理食物 (Speise) より成り, 調理食物は一つ以上の食物 (Nahrungsmittel) を含み, 食物には数種の食素 (Nahrungsstoff) を含んでいる…」と森鴎外が説明した食のことであるといえる。しかし, さらにこのような食 (Nahrung) を営む社会的・心理的, かつまた自然環境的な要因をも添えた広い意味での食でなければならない。このような広義の食を取り扱うことは, とりもなおさず公衆栄養の視座に立つ栄養計画である。栄養士養成カリキュラムに新しく市民権を得たこの公衆栄養の視座は, 要約すると次のようなものである。 (1) 人類生態学とりわけ人間の食生態学に関連する (2) 生理学・生化学的に究明された, すぐれて分析論的な栄養学の基盤に立っている (3) 食品衛生学 (food hygiene) と公衆衛生 (publichealth) と地域医療 (community medicine) の医学的基礎に立っている (4) 食糧生産, 食品流通などの農業経済的視点をもっている (5) その他多くの関連領域に対する接触があって, それらを包括的に統合するなどである。このような地域栄養計画は実施不可能だとする人もいるだろうが, 比較的に小さな地域集団ならば可能である。今後, 栄養問題が明らかに認められる地域小集団をまず手はじめにこの地域栄養計画を試み, その知見を積み重ねて徐々に大きな地域栄養計画を実施することが望ましい。