本研究の目的は, 学校教育サービスの専門家としての中学校教師の被援助志向性を測定するための尺度を作成することであった。Spielberger, Gorsuch, & Lushene (1970) の「STAI (State-Trait Anxiety Inventory; 状態-特性不安検査)」の構造を参考に,「状態・特性被援助志向性尺度」を作成し, 日本の中学校教師250名を対象に調査を実施した。その結果,「状態被援助志向性尺度」は, 一因子構造であることが示された。一方,「特性被援助志向性尺度」は,「被援助に対する懸念や抵抗感の低さ」,「被援助に対する肯定的態度」の2つの下位尺度で構成されることが示された。次に, これら2つの尺度の信頼性と妥当性をそれぞれ検討したところ, 共にある程度高い信頼性と妥当性が確認された。最後に, これらの尺度の活用について, 研究面と実践面の観点から考察した。