本研究の目的は, 中学校における心理教育的援助サービスのコーディネーションを行う恒常的な組織の機能を明らかにすることであった。生徒の「問題行動」 (例:授業のエスケープ, 教師に対する暴言) が頻発する状況にあったA中学校では, 校内の組織である教育相談部会を拡大して, コーディネーション委員会を設けた。そこに, 教育事務所に勤務するスクールカウンセラーが参加して, 問題状況の改善を進めてきた。A中学校のコーディネーション委員会の実践を検討する中で, コーディネーション委員会はその機能として (1) コンサルテーションおよび相互コンサルテーション機能,(2) 学年, 学校レベルの連絡・調整機能,(3) 個別のチーム援助の促進機能,(4) マネジメントの促進機能を持つものであることが示唆された。