本研究は高校生の孫が続柄の異なる祖父母とどのような関係にあるか明らかにすることであった。父方祖父 (n=79), 父方祖母 (n=103), 母方祖父 (n=85), 母方祖母 (n=100) のうちいずれか1人について, 祖父母の役割・機能を孫がどう意味づけるかについて検討した。孫が意味づける祖父母機能として,「伝統文化伝承機能」,「安全基地機能」,「人生観・死生観促進機能」の3つの因子が抽出された。祖父母の続柄による違いを孫の性別で検討した結果, 多くの項目で有意な交互作用が見出された。母方祖母は父方祖父母より, 孫娘から「伝統文化伝承機能」および「安全基地機能」を高く認知されることが明らかにされた。一方, 孫息子は孫娘より, 父方祖父の「伝統文化伝承機能」,「安全基地機能」, および「人生観・死生観促進機能」を高く評価した。これらの結果は, 母方祖母-孫娘というキンシップの存在だけでなく, 父方祖父-孫息子というキンシップ関係も存在することを示唆するものである。