本研究は, まず最初に, 青年期における政治的態度を測定する視点として, 保守的, 革新的それぞれの態度を仮定し, その年齢や性別による差異を知ろうとした (調査1)。次に, 調査IとNHK調査 (1978) の結果の矛盾を解釈するために, 面接調査を実施した (調査II)。 調査Iと調査IIの結果に基づいて, 政治的態度をとらえる視点として, 政治志向 (保守的-革新的) と政治への関与 (積極的-消極的) の両側面を設定した。そして, それぞれの測定尺度を作成し, さらに, 政治的態度に関連する要因を明らかにするために, 質問紙調査を行った (調査III)。 本研究で得られた結果は以下のようである。 1. 青年の政治志向はかなり革新的であり, 保守的傾向は弱い。また, 年齢とともにより革新的傾向が強まり, 保守的傾向は弱まる。 2. 政治的態度には, 政治的関心, 投票やデモ, 陳情の有効性の感覚, 政治的な団体への好意や興味, 社会をよくするための活動などの要因が関連している。社会統計学的要因はあまり関連を持たない。