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文章基本信息

  • 标题:幼児の自己意識の発達
  • 作者:都筑 学
  • 期刊名称:教育心理学研究
  • 印刷版ISSN:0021-5015
  • 电子版ISSN:2186-3075
  • 出版年度:1981
  • 卷号:29
  • 期号:1
  • 页码:70-74
  • DOI:10.5926/jjep1953.29.1_70
  • 出版社:The Japanese Association of Educational Psychology
  • 摘要:

    3歳ごろの第一反抗期は, 自我の芽ばえる時期であり (園原・黒丸, 1966), 子どもは「ぼくが…する」といった形の自己主張をさかんに行う。Jersild (1968) は, このような他者に対する自己主張の開始が, 子どもの自己意識の発達にとって重要であることを指摘している。これらのことから, 幼児期において自己意識は急激な発達を示すと考えられるが, 従来, 幼児を対象とした研究は少なく (Keller, Ford & Meacham, 1978), その内容は十分に知られていない。 ところで, 幼児の自己意識を研究する際には, 次の点に留意しなければならない。すなわち, 自己中心的な思考段階にいる幼児は, 一般に自己の内面を直接に意識の対象とすることが困難である。したがって, 青年や成人を対象とした研究方法を用いることができず, 特別な方法が必要とされる。次に述べるベスティエール検査は, この条件を満たしていると考えられる。 ベスティエール検査は, 子どもの情緒的発達の障害を診断するために考案されたものであり, 病理学的・発生的・差異的視点から, 子どもの日常的な意識や態度を検討し, 子どもの社会的・情緒的な発達水準を明らかにしようとするものである (Zazzo & Mathon, 1960)。検査は3つの下位検査から構成されており, 第2下位検査は以下のようなものである。「赤ん坊」「おとな」「自分のいまの年齢」の3つの人生の時期に関して,(1) 一番なりたいと思う時期,(2) なりたいと思う時期,(3) なりたくないと思う時期, を選ばせ, 理由づけさせることによって, 子どもが自分自身の発達について, どのように意識しているかを明らかにする。 ベスティエール検査の特徴は, 第1に, 子どもの自己意識を, 子どもが自分自身の発達について抱いている意識や自己の成長への欲求という側面との関連において, 力動的に把握できることである。特に, この検査を統合心理学 (psychologie integrale) の観点から発展させた「発達の力動過程」 (Dynamisme Evolutif) の検査は, 過去一現在一未来の時間軸上で, 発達・変化していく自己に対する意識や価値づけを検討することを可能にする (Zazzo, 1969)。第2の特徴は, この検査が一種の投影法だということである。Kanner (1957) によれば, 投影法は可塑的な場面の上に個人の人生観や, 個人の希望, 意味, 特徴, 特にその感情を投影させるものであり, 研究者は個々人の「内面的な世界」を理解することができる。このように, ベスティエール検査は, 幼児の自己意識を研究するのに最も適切な方法であるといえよう。 Zazzo (1962a, 1962b) Zazzo & Mathon (1960, 1962) は, 3歳6か月から6歳3か月までの幼児にベスティエール検査を実施している。その研究から, 第2下位検査の結果をまとめると次のようになる。 3, 4歳では, 「自分のいまの年齢」の選択者数は「赤ん坊」のそれより少ない。しかし, 5, 6歳になると, 「自分のいまの年齢」の選択者数が「赤ん坊」のそれより多くなる。これは, 3歳から6歳にかけて, 子どもが次第に自己を強く意識するようになっていくことを示している。 「おとな」の選択者数は, 3, 4歳では50%を越えるのに対して, 5, 6歳になると30%に減少する。そして, 「おとな」を拒否する者が年齢とともに増加する。「おとな」を選択することは, 子どもが置かれている生活条件と密接に関連している。すなわち, 社会的に高く認められた職業に就いている両親が多い地方の子どもは, 「おとな」を拒否する者が少ない。 どの年齢においても, 女子は男子よりも「赤ん坊」を選択する者が多い。これは, 女子は母親の役割モデルへの同一視が強いからだとみられている。 以上がフランスにおける調査結果であるが, わが国でも, 槻 (1979) が富山県内の保育園児, 小学生を対象に検査を行っている。保育園年長児では, 「赤ん坊」「おとな」「自分のいまの年齢」の選択者は30%, 35%, 35% であり, 拒否した者はそれぞれ20%, 30%, 10%という結果が得られている。しかしながら, 小学生を中心に分析が行われており, 保育園児については十分な検討がなされていない。また, さきのZazzoの研究結果の中でふれられていたように, 社会的・文化的なものは自己意識の発達に対して, 影響を与えると考えられる。 そこで本研究では, 先行諸研究に準じた質問紙を作成し, 4歳から6歳までの幼児の自己意識の発達について,(1) 現在の自己についての意識,(2) 自己の将来の発達についての意識,(3) 過去の変化についての意識, の3つの側面から検討し, あわせてZazzoの調査結果と比較することを目的とする。

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