正示範と誤示範の混合の割合が, 観察学習の成績に及ぼす効果を検討すること, 及び, 正・誤試行の混合である試行錯誤学習と観察学習との比較検討もすることを目的とした。課題は高さの弁別学習であった。実験1は小学生の被験者で8回観察, 実験IIは中学生で16回観察, その他は同じ手続で行った。その結果, 次のようなことがみられた。 1) おおよその傾向として, 正示範に対し誤示範の混合が大となるにつれて, 観察学習の成績が悪くなる。しかし, 100%誤示範のみの場合には成績がよくなる傾向がある。ただし, この結果はまだ統計的には不確定なところがある。 2) 傾向としては, 観察学習の方法よりは試行錯誤学習の方法の方が成績がよい。しかし, 年齢が高くなり, 観察回数がふえるとこの差がなくなる傾向がみられる。