YG性格検査を同一人物に1週間間隔で3回実施し, 再検査を受けること自体によって生ずると考えられる応答の変動-再検査効果1 (社会的に望ましい方向への変動) ―と再検査効果II (内部一致性が高まる方向への変動) の生起の様相を明らかにしようとした。 再検査効果の大きさは尺度内容により異なることが指摘された, 情緒安定性や社会的適応性を測定する尺度では顕著であった。 再検査効果Iの内部一致性の増大は, 尺度内容とは無関連にかなり明瞭に認められた。 討論では, 再検査効果がどのような要因で生起するのかといった問題や, 2一つの再検査効果とは別の項目間関連の変化という意味での再検査効果の問題についてもふれた。