本研究の目的は, 援助要請自立型, 援助要請過剰型, 援助要請回避型, という3つの援助要請スタイルを測定する尺度を作成し, その信頼性と妥当性を検討することである。大学生を対象とし, 3つの質問紙調査を行った。まず, 研究1において尺度の一定の妥当性と内的整合性が確認された。研究2において, 尺度の再検査信頼性が確認された。研究3では, 縦断調査を行い, 援助要請スタイルと4週間後の実際の援助要請行動との関連を検討した。その結果, 援助要請自立型尺度の高群は, 悩みの程度に応じて援助要請を行っていたのに対し, 援助要請過剰型尺度の高群は, 悩みが少ない時でも援助要請を多く行っていた。また, 援助要請回避型尺度の高群は, 悩みが多い時でも援助要請を行わなかった。このように, 本研究で作成された尺度は実際の援助要請行動のパターンを予測していた。