本研究では, 学校内のチーム援助における養護教諭のコーディネーション活動と, それが養護教諭の職務満足感に及ぼす影響について検討した。研究1では養護教諭の職務満足感を包括的に測定する尺度の作成を試みた結果, 「心の支援活動の実践」「養護教諭としての存在感の実感」「保健の授業・指導の実践」「子どもとの信頼関係の構築」「養護教諭としての専門性の発揮」「教職員との信頼関係の構築」「保護者との信頼関係の構築」という7つの下位次元から構成される尺度が作成された。研究2では養護教諭のコーディネーション活動を, チーム援助に関わる他の校内分掌担当者と比較した結果, 「子どもの心身の状態把握」では援助チームの中で中心的な役割を担っており, それ以外のコーディネーション活動の程度は, 生徒指導を除く他の分掌担当者と同程度であることが示された。さらに, 養護教諭が援助チームの中でコーディネーターとして活発に活動することは, 養護教諭の職務満足感全般に対して正の影響を及ぼしていることが明らかとなった。これらの結果に基づき, 養護教諭のコーディネーターとしての積極的な関与を促進する方策が考察された。