ここでは福祉サービスとして提供される生活訓練, 就労移行支援について紹介し, 高次脳機能障害者の主観的 QOL を身体障害者と比較した我々の調査を報告する。国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局では, 身体障害者と高次脳機能障害者を対象に, 自立訓練 (生活訓練, 機能訓練) と就労移行支援を提供している。生活訓練では移動・家事・コミュニケーション等の支援を, 支援ニーズ判定などの評価に基づき定めた個人ごとの目標を達成するよう作成された個別支援計画書に沿って進める。就労移行支援では職場体験訓練, 技能習得訓練, 就労マッチング支援等が行われる。自立支援局を利用する高次脳機能障害者および身体障害者に対して, WHOQOL26 を用いて QOL, バーセルインデックスを用いて日常生活動作をそれぞれ評価したところ, 高次脳機能障害群では日常生活動作はほぼ自立しているが, 生活や自己に対する肯定感が相対的に低いことが示唆された。