ある基準によって区分された各項をさらに細かく分けることを下位分類という。半側無視を下位分類することは,局在診断の手段としての重要性のみならず,日常生活場面での問題点や対処法を明確にしていく必要性の上に成り立ち,完治とはいかないまでも,何らかの改善方策を見出す可能性へとつながるものである。本稿では半側無視の発現機序の解明や治療法の確立を期待して,いくつかの基準に基づいた分類を行った。すなわち,原因疾患からみた分類,半球優位性からみた分類,重症度の分類,病巣の違いによる分類,無視空間の違いによる分類,無視する感覚様式の違いによる分類,認知·遂行過程による分類,発現機序からみた分類などを行い,それらについて解説を加えた。