ガソリン嗅覚刺激が言語課題遂行にどのような影響を与えるかについて検討した。 健常日本人22名 (男性10名,女性12名)にガソリン嗅覚刺激あり・なしの状態で各種の語彙処理課題を施行した。この課題には, 1 )語彙判断, 2 )意味的連合, 3 )押韻判定, 4 )音韻の配列による単語合成,の計4種類の課題を作成して用いた。実験直前から実験中に与えたガソリン嗅覚刺激の有無につき,これら各言語課題に対する正答率と音声反応時間を測定した。 結果は,ガソリン嗅覚刺激によりこれら言語課題に対する音声反応時間は,ほとんど全課題の処理で促進された。 本研究結果から,ガソリン嗅覚刺激により,言語課題の遂行に促進的な影響を与えうる可能性を示唆すると考えた。