標準失語症検査 (SLTA) のecological validityを検討するために,失語症者の実際的な言語能力を評定する質問紙を作成した。SLTAの総合評価尺度は質問紙の2つの尺度である「話を理解する能力」と「話をする能力」の両方と高い相関を示した。しかし言語様式別の検討を行った場合,SLTAの「話す」と質問紙の「話をする能力」にはある程度の選択的な関係性が認められたが,SLTAの「聴く」と質問紙の「話を理解する能力」にそのような関係はなかった。SLTAの成績から実際的な言語能力を予測する際にはこのような点への注意が必要と考えられた。