Thermotoga maritima由来のエンド-β-1,4-グルカナーゼ遺伝子(TM1751,Swissprot Q9X273,GenBank AAD36816)を,大腸菌で発現し,各種カラムクロマトグラフィーにより収率21%で電気泳動的に単一バンドとなるまで精製し,得られた精製酵素の特性を明らかにした.本酵素の分子量は38kDa,至適反応温度は90。Cであり,至適反応pHは6.6であった.本酵素は,85℃ではpH4-9.5の広範囲で安定であった.PNP-β-D-セロテトラオシド,PNP-β-D-セロペンタオシドに対するKm値は,それぞれ0.25,0.24mMであり,触媒活性(kcat/Km)は,PNP-β-D-セロテトラオシドで最大であることから,本酵素には四つのサブサイトが存在するものと推定された.PNP-β-D-セロオリゴ糖の加水分化物をTLC分析したところ,セロビオース,セロトリオース主産物であり,PNP-β-D-セロビオシドからはセロトリオースが生成することから,本酵素は糖転移作用を有することが明らかとなった.本酵素は,カルボキシメチルセルロースよりも,β-1,3/1,4結合を含むバーレイグルカン,リケナンをよく加水分解した.