4種の豆類澱粉(白花豆,小豆,エンドウ,金時豆)の分子構造と糊化特性を調べた.見かけのアミロース含量(27-30%)は真の含量(17.6-25.5%)より3.9-9.4%高く,これはアミロペクチンのヨウ素親和力(IA)が高いことに起因していた.結晶型はエンドウではCb型で,他はCc型であった.RVAにより調べた糊化特性では,小豆が最高粘度,ブレークダウンともに最も高く,エンドウではブレークダウンが認められなかった.アミロペクチンはIAが1.32-2.28g/100g,数平均鎖長が21-22であった.アミロペクチンのリン含量は18-820ppmと種類によって異なり,白花豆が最も多かった.鎖長分布では,いずれのアミロペクチンにも超長鎖画分が1-4%存在し,IAが高いことと一致した.穀類のアミロペクチンより,A鎖画分の割合が少なかった.重合度6-8の鎖長分布は,ジャガイモやサツマイモと類似していた.アミロースの数平均重合度は820-1350,平均鎖数は2.4-4.7であった.豆類アミロースの中では,小豆アミロースが最も分子が大きくまた平均鎖数も多いことが認められた.