アマランスとキノアの成熟種子それぞれ9試料と4試料より澱粉粒を調製し,いくつかの性質を調べた.アマランス澱粉中のアミロース含量は0-28%,キノア澱粉では25-27%の範囲に分布していた.いずれの澱粉もアミロペクチンの長鎖画分はトウモロコシ澱粉よりも若干多く,重合度50までの短鎖画分の中では重合度8-12の単位鎖の分布が高く,13-20までの分布が低い特異な鎖長分布を示した.アマランス澱粉の糊化温度はトウモロコシ澱粉に比べて高く,キノア澱粉は低かった.糊化熱はいずれの澱粉もトウモロコシ澱粉に比べて幾分小さかった.いずれの澱粉粒も澱粉粒が非常に小さいため,トウモロコシ澱粉粒に比べ,生澱粉粒分解酵素による消化性は高かった.X線回折図形はいずれの澱粉もA図形を示した.