澱粉とアミノ酸を加熱し,メイラード反応により20種類のアミノ酸複合澱粉を創出した.負の正味電荷をもつグルタミン酸,正の正味電荷をもつリシンと複合した澱粉は,正味電荷が0のアミノ酸との複合澱粉に比べ,顕著な糊化温度の上昇,糊化粘度および膨潤の減少が認められた.これらの電荷をもつ複合澱粉の糊液は,膨潤粒が存在することから自由水と同様に容易に水分が蒸発したが,荷電アミノ酸複合澱粉ゲル中の水は,他のものより著しく横緩和時間( T 2)が短くなり,このことは,澱粉性食品にドライな食感をもたせるような改質に貢献しうる.