好アルカリ性 Bacillus sp. 株由来のα-アミラーゼ(AmyK) はArg181-Gly182を欠失させることにより,耐熱性のみならずキレート剤耐性も付与できた.欠失による耐熱性とキレート剤耐性メカニズムを明らかにするため,立体構造が判明した Bacillus amyloliquefaciens 株既知のα-アミラーゼを雛型にして,AmyKのモデル構造を構築した.モデル構造より,ループ上のAla186とAsp188がカルシウムイオンと結合していることが判明した.分子動力学計算より,変異酵素においてAla186主鎖の酸素とカルシウムイオンとの親和性が増しており,これにより耐熱性とキレート剤耐性が向上するものと示唆された.