Aspergillus niger GN-3由来のα-グルコシダーゼの遺伝子( agl A)を含む発現用プラスミドを構築し(Fig. 1), Emericella nidulans JCM10259に挿入して組換え酵素を発現させた(Fig. 2).組換えα-グルコシダーゼは,培養液1リットル中に約61mg分泌されていると見積もられた。組換え酵素は,培養液より硫安塩析,2回のイオン交換カラムクロマトグラフィー,およびゲル濾過カラムクロマトグラフィーにより精製された.精製組換え酵素は, Aspergillus niger GN-3由来のもの(野生型酵素)と同様に,二つのサブユニットから形成されていることが確認された.組換え酵素は,野生型酵素よりも分子質量が若干小さいことがSDS-PAGEにより確認された(Fig. 3).これは,酵素タンパク質に結合している糖鎖が,両者間で異なることに起因するものと推測される.酵素活性の最適pHや基質特異性については,組換え酵素と野生型酵素では同じであった(Table 1).