好アルカリ性放線菌 Nocardiopsis sp. TOA-1の培養液より, 硫安分画後, DEAE-Toyopearl, Butyl-ToyopearlおよびSuperdex75カラムクロマトグラフィーを用いて, マルトトリオース生成アミラーゼの精製を行った結果, 分子量の異なる二つの酵素を得た(AmyA-1, AmyA-2) (Fig. 1). SDS-PAGEにより, AmyA-1およびAmyA-2の分子質量をそれぞれ56, 60 kDaと推定した (Fig. 1). AmyA-1およびAmyA-2の至適pHおよび至適温度はともにpH9.5, 65℃であり (Fig. 2), 安定pHおよび安定温度もともにpH7-13, 45℃以下であった. AmyA-1およびAmyA-2は, 可溶性デンプン, アミロース, アミロペクチン, グリコーゲンおよびγ-シクロデキストリンを分解し, 反応初期にはマルトトリオースのみを生成すること, また最終生成物にはマルトトリオースの他に少量のグルコースおよびマルトースが存在することが明らかとなった (Fig. 3). さらに, AmyA-1およびAmyA-2の酵素活性は, Fe2+, Fe3+ (Table 2) および N -bromosuccinimideにより顕著に阻害されるなど, 両酵素の諸性質は極めて類似していた. しかしながら, 基質特異性については両酵素においてわずかに異なっていた (Table 3).