リンゴ果肉由来の細胞壁多糖から得られた24%KOH抽出画分(ヘミセルロース-II画分,HC-II)の大部分はキシログルカンであったが,ガラクトグルコマンナンもわずかではあるが含まれていた。そこで,市販の結晶セルロースへの親和性(吸着力)を利用してガラクトグルコマンナンの分離を試みた。HC-IIからキシログルカンを除くためにキシログルカナーゼ( Geotrichum sp. M128由来)で処理し,DEAE-Sephadex A-25カラムクロマトグラフィーによりガラクトグルコマンナンを精製した。精製したガラクトグルコマンナンは,収量がHC-IIの約8%であり, D -マンノース, D -グルコースおよび D -ガラクトースがそれぞれ5.7:3.0:1.1のモル比で構成されていた。また,本多糖のメチル化分析の結果から,大部分が4-結合 D -マンノースおよび4-結合 D -グルコースであり,そのいくつかは O -6位において D -ガラクトースの分岐を持つ構造であると推定された。